ベクター製造工程
現在、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターなどの遺伝子治療用ベクターを低コストかつ迅速に提供できる体制を整備しています。
下図に示す製造工程において、振盪型バッグを用いた浮遊培養、および多段フラスコや大型バイオリアクターを用いた接着培養による
ベクター産生が可能な拡大・生産培養設備を導入しています。AAVベクター原液(培養上清・細胞溶解液)は、フィルターを用いた清澄化やタンジェンシャルフロー濾過(TFF)による濃縮後、当研究室で開発したゾーナルローターと塩化セシウム密度勾配を用いた独自の
超遠心法により、迅速かつ大量精製されます。その後、バッファー交換および濃縮されたAAVベクターは、ゲノム力価や完全体・中空
粒子の割合、純度を評価し、原薬となります。
以上の製造条件において作製した遺伝子治療用ベクターを使用し、多くの難治性疾患に対する治療研究の支援を実施します。