ベクター製造工程

 現在、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターなどの遺伝子治療用ベクターを低コストかつ迅速に提供できる体制を整備しています。

下図に示す製造工程において、振盪型バッグを用いた浮遊培養、および多段フラスコや大型バイオリアクターを用いた接着培養による
ベクター産生が可能な拡大・生産培養設備を導入しています。AAVベクター原液(培養上清・細胞溶解液)は、フィルターを用いた清澄化やタンジェンシャルフロー濾過(TFF)による濃縮後、当研究室で開発したゾーナルローターと塩化セシウム密度勾配を用いた独自の
超遠心法により、迅速かつ大量精製されます。その後、バッファー交換および濃縮されたAAVベクターは、ゲノム力価や完全体・中空
粒子の割合、純度を評価し、原薬となります。

 以上の製造条件において作製した遺伝子治療用ベクターを使用し、多くの難治性疾患に対する治療研究の支援を実施します。




製造工程

1. 安全キャビネット


2. 振盪型培養装置(WAVE)


3. 固定床型バイオリアクター(iCELLis Nano)


4-1. TFF装置(ラボスケール,KrosFlo KR2i TFF System)


4-2. TFF装置(プロセス開発~製造スケール,ÄKTA flux 6)


5. クロマトグラフィー装置(ÄKTA avant25)


6-1. 超遠心機(CP 80NX)


6-2. 超遠心用大容量ゾーナルローター(1.7 L)


7. バッファー置換濃縮装置(UNAGI)


8-1. ウイルス粒子の純度検定装置(完全体・中空粒子 分析)


8-2. ウイルス力価定量装置(Droplet Digital PCR,QX200)


8-3. 粒子数評価(Octet R2)