事業概要

ベクター製造支援

 遺伝子治療・再生医療コンソーシアムでは、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター・レンチウイルスベクター製造技術および既存施設におけるGMP準拠ベクター製造技術を基盤に、「治療ベクター開発室 ベクターユニットⅡ」の整備など既存のベクター製造施設、セルプロセッシングセンター(CPC)を拡充強化することにより、非臨床試験に使用できる遺伝子治療用ベクターを提供可能な体制・施設の整備を進めています。GMP準拠ベクター製造技術を基盤に、非臨床試験や第Ⅰ相臨床試験に使用できる遺伝子治療用ベクターの低コストで迅速な提供を目指します。これと並行して、教育プログラムを構築し、遺伝子治療の推進を担う人材の育成に取り組みます。


ベクター製造工程の詳細を見る



マッチング・実用化支援

 治療用ベクターのGMP準拠製造において、基礎研究者個人が実施するためには、情報収集のための多大な労力と時間を要する上に、ベクター設計や品質に関する専門知識が必要だと予測されます。そこで、遺伝子治療の研究者と連携し、国内外の様々な製造施設の中から課題に最適な条件に見合う製造委託先を検索、共同で規格決定や品質管理を行うことにより、迅速なベクター調達をサポートします。また、治療用ベクターを用いた非臨床PoC/前臨床試験を効率よく推進するため、各課題に対応可能な疾患ごとの専門家チームを立ち上げ、支援を実施します。


事業概要

  • マッチング支援(製造障壁の解消)
     治療ベクターの製造条件の検討に対する助言、製造受託機関を紹介・仲介します。
  • 実用化支援(他の支援課題との連携)
     実施機関や支援課題と密に連携し、効率よく推進するために各々の技術領域や疾患領域の専門家による
    支援を実施します。
     非臨床PoC用non-GMPベクター、非臨床安全性試験・治験用GMPベクターを製造する施設を整備し、
    これらのベクターを低コストで迅速な提供を目指します。また、GxP製造などを行う発注先との調整・連携を
    行います。
  • 調査・研究開発(知見の共有化)
     遺伝子治療の動向やニーズ調査、受託製造機関の性能・仕様や製造実績動向など課題への支援に必要な
    調査研究を行うとともに、ベクター製造に必要な条件について検証実験を行います。
  • 人材育成と支援課題内でのノウハウの蓄積・提供
     ベクター製造技術、ノウハウ、問題点、成功例などの集積を行い、これらを活用して、効率的・効果的な試験製造に関する情報を提供します。
     専門的知識やノウハウを習得し、当該領域の人材(研究者/技術者)の育成を行います。





 アカデミア研究者とベクター製造施設とのマッチング等を支援することで、実用化に向けたベクター製造に

関わる障壁を解消するとともに、当該支援の取り組みによって得た知見を共有することにより、アカデミア研究者がベクター製造施設からの協力を得やすい環境を提供できるように取り組みます。


 当該支援活動は、日本医療研究開発機構 (AMED) 再生・細胞医療・遺伝子治療研究実用化プロジェクトの支援課題(ウイルスベクター製造・提供基盤整備課題;課題E-1)「アカデミア用GMP準拠ウイルスベクター製造・提供体制の基盤整備と人材育成」および、再生・細胞医療・遺伝子治療研究実用化支援課題(試験製造支援課題・ベクター;課題D-2)「遺伝子治療研究の実用化促進に向けた研究者製造施設マッチング整備」事業の一環として実施されます。コンソーシアムの他の支援事業、課題B.「事業化戦略支援課題」、課題D-1「試験製造支援課題・細胞」と連携した包括的な支援を実施します。さらに、AMED 再生・細胞医療・遺伝子治療研究実用化の他の支援課題「規制・社会実装支援課題:課題A」、「ウイルスベクター 製造・提供基盤整備課題;課題E-2」との連携のもと支援活動に取り組んで参ります。



課題名

アカデミア用GMP準拠ウイルスベクター製造・提供体制の基盤整備と人材育成

研究開発代表者東京大学 医科学研究所  岡田 尚巳
研究開発分担者岩間 厚志、藤堂 具紀、長村 文孝、長村 登紀子、恒川 雄二



課題名

遺伝子治療研究の実用化促進に向けた研究者製造施設マッチング整備

研究開発代表者東京大学 医科学研究所  岡田 尚巳
研究開発分担者

東京大学 医科学研究所  岩間 厚志、藤堂 具紀、長村 文孝

群馬大学  平井 宏和

日本医科大学  五十嵐 勉